郷土の歩みをたどる探究活動――2年生が「しばたの郷土館」で地域史を学ぶ
10月14日金曜日、本校の総合探究学習の一環として、2学年の生徒6名が「しばたの郷土館」を訪問し、柴田町の戦前・戦後の歴史について理解を深めました。
当日は、学芸員の岡山卓矢様より、海軍第一火薬廠で実際に使われていた土管やトロッコレール、道標、さらに当時の敷地を再現したジオラマなど、当時を伝える展示物をもとに説明をいただきました。柴田町にかつて第一海軍火薬廠があり、アジア最大規模の生産量を誇っていたこと、約1万人が働いていたこと、そして戦後には同施設が米軍に接収され、雇用の減少や治安悪化など町が大きな転換点を迎えたことを知ることができました。
その後、柴田町が自衛隊駐屯地、工場、大学などの誘致を積極的に進めることで復興を図り、第一海軍火薬廠の広大な土地を平和利用へと転換してきた歩みについても理解を深めました。これらの施設の背景には、当時の科学者や技術者たちが、地域の未来を見据えながら「平和な社会を築くために自らの技術を生かす」という姿勢で取り組んできた歴史があり、その志が今日の町の発展にもつながっていることを感じ取ることができました。
最後に、仙台大学構内にある「勤労動員学徒の碑」を見学しました。碑の背後に残る「万年塀」は第一海軍火薬廠時代のもので、戦後80年を経ても崩れずに残る重厚な造りが、地域に刻まれた歴史の深さを静かに伝えていました。
今回の探究活動の成果は、1月24日に宮城県庁で開催される「高校生フォーラム」にて発表する予定です。今回の学びを通して、生徒たちは郷土の歴史と向き合いながら、その歩みを未来へつなぐ視点を養っています。